申請者情報

AWARD申請内容

審査状況：認定！

種別：サービス

受賞を目指す産品やサービスの名称

羽毛ふとんゼオテックス・リフォーム

ゼオテックス・リフォーム後の羽毛ふとん

申請する商品やサービス等の概要

羽毛ふとんのゼオテックス・リフォーム
〇お使いになっていて、羽毛の吹き出し・暖かさの変化・生地の汚れなどでリフォーム希望の羽毛ふとんをお預かりして、解体による羽毛の取り出し洗浄とともに独自の羽毛除塵を行い、ゼオテックス生地を使用した側生地に入れ直してお返しするサービス。
〇リフォーム構造として、アルダスキルトを使用（羽毛移動防止および保温性のアップ→快適性）
〇リフォーム素材として、裏生地にゼオテックス加工生地を使用（健康的かつ衛生的なな寝床内環境の確立）
〇ふとんの側地・羽毛の種類・追加の羽毛充填量により、リフォーム価格は異なりますが　シングルサイズで４５，０００円～、ダブルサイズで５８，５００円～。

挑戦と創造のストーリー

国内で生産される羽毛ふとんは、各工場が独自に開発した「立体マチキルト」という縫製構造を使用しています。但し、この「立体マチキルト」には２つの大きな欠点がありました。一つは、マチキルトの構造上羽毛を入れる吹き込み口を作らなければならず、ふとんを使用している間に吹き込み口を通して、羽毛が移動して片寄ってしまう事。そしてマチの高さを高くすれば保温性がアップするのですが、マチの高さを高くすることで、吹き込み口が大きくなってしまい、より羽毛の移動が起きてしまうため、マチの高さを高くできないことの２つの問題がありました。弊社の商品規格も、この問題に対してなかなか改善策が見つからず、苦労をしてきました。特に米沢市という場所は、夏は暑く冬は寒いという地域のため、厳冬期でもより保温性の高い「羽毛ふとん」を求められ、社内的に試行錯誤を繰り返してようやく完成したのが「アルダスキルト」という縫製構造です。
このキルトは、マチが交差する吹き込み口を羽毛を充填した後に閉じる「弁」のような縫製構造で、このキルトを開発したことで吹き込み口からの羽毛の移動を防止するだけでなく、マチの高さも８～１０ｃｍの高さを維持することで、より保温性の高い羽毛ふとんを作ることが出来ました。地元の消費者の方から米沢の様な寒い地域でも温かい「寒冷地仕様の羽毛ふとん」と呼ばれ、親しんでいただいています。　　（特許取得　No3168885）
寝具の快適さを表す言葉に、寝床内環境という言葉があります。いわゆる掛けふとんと敷ふとんの間の気温・湿度のことですが、羽毛ふとんが家庭において普及されてからは以前に比べると、より快適な寝床内環境が作れるようになりました。ただ、眠りとは精神的または肉体的に体を休める時間になりますので、寝ている間により健康的な眠りをとれないかという事になります。つまり簡単に言えば、寝ている間に健康を促進するための寝具を作れないかということです。そんな時 、山形大学工学部で地元米沢産のゼオライトで消臭効果をアップする研究をしているという情報が入りました。弊社もメーカーとしてその研究に参加させていただき、ゼオライトを独自に検査機関で色々なデータをとるうちに、消臭作用以外にいろいろな作用のあることが解りました。その作用は、温熱・調湿・消臭・抗菌・防カビなど、快適なだけでなく健康を維持するために必要な作用だったり、衛生面での作用になります。さらに、生地にゼオライトのプリント加工が出来れば、いろいろな商品に応用できるため、生地メーカーと話し合いを始めました。生地に加工するには、ゼオライトを今まで以上の微粉化に加工しなければならず、どれくらいの微粉末にするか試行錯誤が続きました。やっと適性の微粉末化で効果の上がる割合が解り、羽毛ふとん用の生地にゼオライトプリント加工が完成し、ようやく寝床内環境として今まで以上に快適で、健康的な環境を作り出すことに成功しました。全国の羽毛ふとん家庭普及率は、１００％を超えており、新しく羽毛ふとんをお求めになるお客様が減っています。さらにここ数年は、SDGｓの意識も追い風になり、羽毛ふとんのリフォームをお求めになる消費者が増えています。弊社も、ゼオテックスの健康的・衛生的な作用を基に他の羽毛ふとんリフォームと異なる独自のゼオテックス・リフォームを力を入れて進めてい行きます。

商品やサービス等の品質の高める工夫

弊社は、寝具製造メーカーですが、アルダスキルトを開発したときは、縫製するとすごく時間がかかりました。アルダスキルトの縫製は、通常のマチキルトにくらべ、構造が複雑のため、どうしても時間がかかってしまいます。量産体制を作ることで、コストダウンが計れるため自社工場のスタッフが縫製のやり方や手順を工夫することで経験上の技術を習得し、縫製時間を短くするための努力の結果、一枚一枚丁寧な縫製を行い、自社工場で効率を上げて量産する体制を組むことが出来るようになりました。

商品やサービス等の独自性・価値

自社開発の「羽毛ふとんゼオテックスリフォーム」は、通常の羽毛ふとんリフォームと大きく次の点が異なります。
①羽毛の除塵について
解体後の羽毛を取り出し、ガーゼの袋に入れて洗浄を行います。洗浄中に細かな羽毛の端切れ（ファイバー）などはガーゼの目から出るため、洗浄後は大きなダウンが残るように洗浄します。
②構造として、アルダスキルトを採用。
アルダスキルトの開発により、マチの高さを高くすることで従来の羽毛ふとんの保温力がアップできました。一般的な立体キルトの縫製は、マチの高さが４～４．５ｃｍになっており、アルダスキルトの場合は８～１０ｃｍ（最大で１２ｃｍ）のマチの高さを可能にしました。かさ高の分だけ空気の層が膨らんで、体温を逃がしにくくなります。マチキルトの欠点である「吹き込み口よる羽毛の移動」がなくなり、羽毛が片寄らず長くお使いいただいても快適な羽毛ふとんになりました。
③裏生地にゼオテックス加工の生地を採用
羽毛ふとんの裏生地に、ゼオテックスのプリント加工生地を使用することにより、保温力はもちろんのこと、寝ている間の健康促進に期待が持てます。ゼオテックスの作用については、以下の作用が有ります。
〇温熱作用（健康面）
ゼオテックスの放射する育成光線（遠赤外線）により、血流や新陳代謝の促進が期待できます。
〇消臭作用（快適さ）
ゼオテックスは、強力な吸着力を持っており、不快な臭いなどを短時間で消臭します。
〇調湿作用（快適さ　寝床内環境）
湿度が高くなると水分を吸収し、乾燥してくると放湿して常に快適な湿度を保ちます。
〇抗菌・防カビ作用（衛生面）
様々な細菌やダニの発生・繁殖を妨げ抑制するため、いつも衛生的で快適です。
今までの羽毛ふとんと比較しますと、リフォームすることにより衛生的で快適な寝床内環境を作れるだけでなく、健康的な睡眠がとれる羽毛ふとんになります。

商品やサービス等に対する評価

国内で羽毛ふとんが普及して、約４０年くらいになり、長年の使用で生地が破れて羽毛の吹き出し、襟元の生地の汚れ、または羽毛のダメージでかさ高さが低くなったりして、ここ数年リフォーム依頼が急増しており、弊社でも繁忙期には８０～１００枚／週のリフォームを行っています。すべてがゼオテックスリフォームではありませんが、ゼオテックスリフォーム選ばれたお客様からは、ふくらみが大きく大変驚いた。身体の密着度がよく、大変あたたかい。また、寝汗をかいても、ムレ感がなく快適に眠れるなどの評価をいただいております。
ゼオテックスリフォームを依頼されたお客様から、ご家族の方の分もということで、再度羽毛ふとんゼオテックス・リフォームをお求めになるケースが増えています。また、自社製造という事で、羽毛の充填量についても増量などお客様からのご要望でお作りするご注文も増えています。

情報発信の手段

羽毛ふとんゼオテックスリフォームは、自社運営店舗「カーテンホーム２１・ふとんスタジオ」の主力サービスと位置づけ、テレビコマーシャル・ホームページでの情報発信とともに、チラシや接客による具体的な説明なども行うことで、幅広い消費者にアピールを行っています。
米沢市内の旅館、置賜管内の旅館へのリフォームなど進めており、地元の企業からゼオテックスリフォームも含め、ゼオテックス商品の展開を考えて、提案を行っています。
また、県内外のクリーニング会社様との提携を行い、サービスの一環として取次店を通じて幅広いお客様へ「羽毛ふとんゼオテックスリフォーム」を進めていただいております。

評価を活かす仕組みや体制

自社店舗でのお客様からのご意見・ご希望など広く情報を集め、商品を開発する際には複数の社員のモニターを行い、必要があれば店舗での一般の消費者の方にもモニターをお願いしています。商品化にあたっては、モニターの方からの貴重なご意見を収集・まとめ素材の機能性・作用についても、公的検査機関に依頼して必要なデータを蓄積して商品を開発していきます。
社内に「お客様相談室」を設けて、リフォームされたお客様のご意見そしてご要望など、お使いいただいての内容につきまして対応をしています。

今後の計画

前述にご説明した「ゼオテックス」の機能性を活かし、開発商品を寝具だけに限らず、居住など生活空間を、より快適で衛生的かつ健康的な空間を作り出すような商品を開発することを計画しています。具体的には、ゼオテックスカーテンおよび敷物（ジュータン）などに加工して生活空間改善の商品を作り、提案していく。
羽毛ふとんゼオテックスリフォームにつきましては、米沢発を信地として、東北地区クリーニング会社様との提携をより多くの会社と行うこと、また一般消費者のお客様や寝具を使用される旅館・ホテルへのゼオテックスリフォーム提案を行っていきます。さらに、アワードを受賞させていただき、米沢から米沢品質ブランドとしてゼオテックス・リフォームを全国の消費者へ届けたいと思います。

米沢への貢献

弊社は、もともと米沢織りの機屋が前身であり、米沢織りの生地に手描き友禅の加工を施した羽毛ふとんを作ったことから、寝具の製造を始めました。ゼオテックスの開発には、同じ市内の山形大学工学部とジークライト株式会社様と提携しながら行い、さらに米沢市内の企業と提携することで、新しい商品の開発や新しい販売先の確保などともに行っていきたいと思います。また、寝具メーカーとして、米沢から今までになかった新しい機能を持つ「羽毛ふとんゼオテックス・リフォーム」を全国の多くの消費者の方や地元の旅館ホテルへのゼオテックス商品の提案を行い、商圏を拡大していこうと思います。米沢イコール寝具、寝具ならゼオテックスという位置づけを確立する。

現在取り組んでいるSDGsの取り組み＜参考＞

SDGｓ目標１２　つくる責任　つかう責任
ターゲット12.5　2030年までに、廃棄物の発生防止、削減、再生利用および再利用により、廃棄物の発生を大幅に削減する。
〇工場内の生地端切れなどインテリア小物などに縫製し、また安価で消費者に提供し、生地の廃棄物を削減。
〇羽毛ふとんゼオテックス・リフォームそのものが、SDGｓと考えます。羽毛ふとんを再利用することで以前より機能性をアップしてお返ししています。
〇羽毛ふとんの無料引き取り・・・消費者の方が処分したいふとんを引き取り、再生羽毛として再利用する。

商品やサービスの画像

ゼオテックスプリント加工生地

自社独自の除塵工程　ガーゼの袋に入れて洗浄