米沢ブランドコンセプトについて
米沢ブランド戦略に基づき事業を進めている「米沢ブランド戦略事業」について、最も大切な基本理念である“ブランドコンセプト”が決定しました。
1 米沢ブランドコンセプト
鷹山公のDNA『挑戦と創造』の力で、次の米沢をつくる。
(説明文/全文を掲載)
少子化と高齢化の進展や、先進技術のかつてない急速な進化にともない、生活から産業まですべての面で、日本はいま次の時代への大きな変化を求められています。そして私たちの米沢もまた、「都市集中→地方人口減少→地域経済の縮小」という課題を克服し、10年後も人がイキイキと輝く活気ある米沢にしていくために、いま大きく変わるべき時を迎えています。地方が自ら、地方ごとの長所と特色を生かして未来を切り拓くことをめざす、国の「地方創生」。では、米沢の未来を考えるとき、その核となれる「米沢らしさ」とは何でしょうか?その問いへの答えとして多くの米沢市民が選んだのが、鷹山公以来の長い時間の中で米沢の人々に根付いている、「なせば成る」の精神と文化でした。
約250年前に、それまでの前例にとらわれない新しい発想からの行政改革やインフラ事業、明日の豊かさを創り出す新しい産業の導入や、それらに必要な人材の育成に全力で取り組んだ鷹山公。その「挑戦と創造」が、いまこそ再び米沢に必要とされていることを多くの市民が感じたのではないでしょうか。貧しかった米沢の人々の暮らしを豊かに変え、J.F.ケネディ大統領に「日本で最も尊敬する政治家」と評価された「挑戦と創造」の精神は、その後も今日まで米沢の人々の血となり肉となり、脈々と受け継がれているのです。歴史のなかで米沢が、米沢織や米沢牛をはじめとする数々の特産品を生み、また人造絹糸(レーヨン)やノートPC、最近では有機ELといった新技術の発祥の地になってきたことも、もちろん偶然ではありません。
かつて鷹山公が取り組んだように、いま米沢は10年後のさらに豊かで活気ある次の米沢のために、市と市民が結束し、時代の変化を見すえた「挑戦と創造」の一歩をふみ出します。厳しくも、豊穣な恵みと豊かな四季の楽しみをもたらしてくれる、かけがえのない自然は変わらず大切にしながら、何よりも品質にこだわってきた米沢人伝統の知恵と、熱意と、技術をさらに高めて結集。同時に次の挑戦と創造を支える次世代人材の育成にもますます力を注ぎながら、米沢で生まれる産品やモノすべてに、かつてない高品質をめざします。米沢を訪れてくださる方々に、まだ未体験の感動をお届けしていきます。数々の新技術を生んできた伝統を明日につないで、次の新技術誕生の地をめざします。そして、子ども・若者から高齢者まですべての市民や転入者がイキイキと暮らせる、ひとつ上の住みやすさを実現します。市民が誇りと自信をもって選んだ、米沢ならではの「挑戦と創造」のDNAの力で、米沢にしかできない品質と人材の力で、米沢はこれからもっともっと、日本の他のどこにもない新しい価値と、魅力と、活気にあふれる町になっていきます。
なぜ「挑戦と創造」なのか?
「挑戦と創造」は米沢の歴史そのものであると共に、市民の誇りと市の発展を支えてきた最も大切な要素である。
歴史
「挑戦と創造」は、米沢の中興の祖である鷹山公の精神に基づいており、歴史的にも、鷹山公の言葉によって米沢の復興が実証されてきた。
市民
鷹山公は米沢市民の精神的支柱で在り、敬愛する象徴的人物である。その鷹山公が教えた「挑戦と創造」という精神は、今も市民の心に根付いており、米沢らしさの根底にある誇りとなっている。
産業
結果的に「挑戦と創造」の精神は米沢において様々な産業の発展を成し遂げてきた。
「挑戦と創造」とは、市民の意識変革を入口に“人材”と“品質”を高め、魅力的な街を生み出していくプロセス。
2 コンセプト決定までの経緯
(1) 米沢ブランディングの前提
米沢には歴史・自然・産品など多くの資産があり市内外の生活者が魅力を感じられる街である。
(2) 米沢が抱える現実
1.人口の減少
米沢市は2000年以降人口減少に転じており低い出生率も相まって将来大きな人口減が予測される。
2.産業の衰退
米沢市は電子・機械産業や織物産業などの優れた産業を有しているが、減少傾向となっている。
3.市外の生活者における米沢の認識
日本有数のブランド牛「米沢牛」によって市の認知は高いが米沢の魅力が浸透している状況とは言い難い。
4.米沢ブランディングが目指す姿
米沢をひとつにまとめる“旗印”であるコンセプトが、市民の誇りとなり、資産をまとめ、ヒトやモノを動かす。
5.市民参加型の米沢ブランディング
5つのコンセプト仮説によるワークショップの実施
コンセプト仮説
A 上質な日本を凝縮『コンパクト・ジャパン米沢』
B 人間力×自然力の『米沢クオリティ』
C 鷹山公のDNA『挑戦と創造の町、米沢』
D 都会人が求める『3rdプレイス』
E 自然と生きる。自然に生きる。『米沢スタイル』
市民参加型のワークショップ
中学生・高校生・大学生・米沢牛販売に携わっている方・飲食業・観光業・メディア・子育て世代・伝統工芸作家・八幡原の企業に勤めている方・高齢者層など、32グループ・215名の市民の方からの意見を取りまとめました。
ワークショップの結果 「C案:鷹山公のDNA『挑戦と創造の町、米沢』」が最高評価を得ました。
- C案は、新しい米沢の未来に対する高い期待感と「変わらなきゃ」という危機感が表れている。
市民ワークショップから見えてきた3つのポイント
1.新しい米沢へと変わろうとする市民の強い意志
多くの市民が共感した『挑戦と創造の町、米沢』は変わりたい・変わらなくてはいけないという市民の強い意志であり、特にこれからの米沢を担っていく10~30代といった若者の評価が突出している。
2.鷹山公のDNAから受け継ぐイノベーションへの誇り
米沢市民が強く共感する鷹山公においても「挑戦と創造」のDNAが今後の米沢の重要な“らしさ”となる。
3.厳しい自然が生み出した人びとの工夫や知恵が資産と創造を生み出すのは米沢の自然の“チカラ”であり、そこから生まれた人びとの知恵が米沢の魅力となっている。